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読書記録です。 書評というには大雑把、本人ですら読み返してどんな本だったか思い出せないかもしれないような、そんな記録(笑)

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少し変わった子あります(森 博嗣)

文藝春秋 2006年

失踪した後輩が通っていたのは、いっぷう変わった料理店。予約のたびに場所が変わり、毎回違う若い女性が食事に相伴してくれるという…。謎めいた料理店で出会う「少し変わった子」たちが、あなたを幻想的な世界へと誘う物語。

紹介文だけ見るとあれですが、大学教授(准教授?)が主人公。
いつ電話しても予約が取れるが、一人きりで行くのが条件。整ってはいるが印象に残らない女将、食べ方が美しいことだけが共通している幾人もの若い女性。その女性達がもたらす不思議な感覚。

森作品らしい不思議さを兼ね備えつつ、いつもとはちょっと違う感じの雰囲気の作品。特にこれといった事件が起きるわけでもなく、ただ、食べて、女性と時間をともにする。べつにいかがわしい事をするでもなく、場合によってはほとんど話もしない。
連作短編集なのだけど、全編通してそんな感じなので、後半なんだか夢に引き込まれたような感じに。

とはいえ、ラストのオチは読めました。

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QED〜flumen〜九段坂の春(高田 崇史)

講談社 講談社ノベルス 2007年

鎌倉宮、浅草寺、熊野灘……。封印された歴史に導かれ、哀しき殺人の連鎖を解く!!
桑原崇の初恋を終わらせた謎とは!?「QED」シリーズ番外編!!
千島ヶ淵の桜の下、花弁を握り締めて男が死んだ――。中学生の桑原崇は、聡明な女教師・五十嵐弥生に思いを寄せるが、ほろ苦い思い出を残して彼女は消え、崇の胸には一つの疑問が残った。それぞれの青春を過ごしていた、棚旗奈々や御名形史紋の周囲でも起こる怪事件。すべての糸が、一本に美しくつながるQED初の連作短編集。

全然予備知識を持ってなかったから、番外編だと思ってなかった。
よもやタタルさんが中学生とは…、しかも普通人みたいに恋をしてる…(笑)
四つの話は、最後に繋がりがあることが分かってちょっと驚いた。
そこか!みたいな。

レギュラー陣(御名形も、すっかりレギュラーだな…)が、まだ誰一人出会ってなくて、でもひっそりとその影が見え隠れしている、そんな四つの話。

しかしまあ、こんな会話ばかりしている中学生とか高校生って…どうよ…。いや、悪くはないんだけど。
いつも思うけど、このシリーズ「自分の住んでいる土地にこんな歴史が隠されていることに気付かずに生きてたなんて!!」的モノローグが入るんだけど。…普通気付かずに生きてるもんです。

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明日この手を放しても(桂 望実)

新潮社 2007年

19歳で途中失明して夢を失った「可愛く」ない凛子と、自分勝手で「文句ばっかり」の真司。一番近くにいても誰より遠い兄妹の未来に待っているのは…。家族の愛がぎっしり詰まったハートフルな長編小説。

ハートフル…ううん、ハートフルか…。
じんわりと来るようなものはなくもないけど、ハートフルというには少し淡々としてる気がする。

失明した凛子、文句ばっかりの兄、事故に遭って亡くなった母、漫画家の父はある日ふらりと散歩に出かけたまま「消えて」しまう。兄妹の二人の生活が始まる。
二人は、父の残した(遺したではない)作品の続編を書くよう昵懇の編集者に勧められ、原案を作ることに。

で、色々悲喜こもごもありながら、二人は少しずつお互いが分かるように…、みたいな。

途中の裏切りや、父の失踪に関しては、結局解決しないまま。失踪は分からなくても構わないと思ったんだけど(これはこれでありだと思う)、裏切り行為の方は、その理由とか、なんとかが、もっとしっくりくる説明をつけて欲しかった。

…だって、裏切り者と父とがどっかで繋がってるような読み方も出来るんだもの。どっちだよ。

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乱鴉の島(有栖川 有栖)

新潮社 2006年

友人の作家・有栖川有栖と休養に出かけた臨床犯罪学者の火村英生は、手違いから目的地とは違う島に連れて来られてしまう。通称・烏島と呼ばれるそこは、その名の通り、数多の烏が乱舞する絶海の孤島だった。俗世との接触を絶って隠遁する作家。謎のIT長者をはじめ、次々と集まり来る人々。奇怪な殺人事件。精緻なロジックの導き出す、エレガントかつアクロバティックな結末。ミステリの醍醐味と喜びを詰め込んだ、最新長編。

…エレガントかつアクロバティック、ですか…。
あんまりそういうイメージはなかったなぁ。

とはいえ、集まってる人々の目的がイマイチなんだかちょっとしっくりこないのを除けば、面白いと思います。
犯罪としてはありきたり(失礼)だと思うし、動機もまあ、ありがちだけど、それに付随してくる謎はちょっと面白いかも。電話線の切られた理由とかね。

それにしても、34歳の男が二人、相変わらず仲良しさんで、まあ。
アリスもちょっとずつ名が売れてきたんだなぁ、とか思ってみたり(笑)
このジュブナイルはあれですかね、ミステリーランドですかね。

そういえば、アリスと火村以外のレギュラー陣って、猫とばあちゃんだけか!

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ふじこさん(大島真寿美)

講談社 2007年

離婚寸前の父と母にはさまれ、何も楽しいことのない毎日を送るリサの前に現れたふじこさんは、乱暴できれいで、あっけらかんとしていて、今まで見たことのない、へんな大人だった…。幻のデビュー作を含む、著者会心の短編集。

大島作品は飄々としていて温かい。
どうしようもないようなところに放り込まれて、それでも、そこにぽかんと居心地のいい場所が待っている、そんな感じ。

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カナスピカ(秋田 禎信)

講談社 2007年

ある日突然、加奈の目の前に眩しい光が現れ、その中からひとりの少年が!彼の名は「カナスピカ」。高度2万6499キロから不測の事態で地上に落ちてきた人工衛星だった。この日から、平凡な中学生の日常は一変。カナスピカを宇宙へ還すため、加奈の奮闘が始まるのだが……。「ピュア」で「凛」とした青春が、ギュッ!!と詰まった作品。

『魔術士オーフェン』シリーズの作者さんらしいですが、あいにくそちらは未読。名前は知ってるんだけど(笑)

正直、思ったよりも普通のお話だと思った。
人工衛星が少年になったり、怪しげな部署が市役所にあったり、誘拐されそうになったり(されたり?)はするものの、まあそれも含めてありそうな。
児童文学だな、という感じ。良くも悪くも。
友達付き合いがあまり上手くなくて、すれ違っちゃったりするシーンとかね。

突拍子も無いと言えば、主人公の女の子が、どうしてそこまでするのか、というシーンもあるんだけど(校長との面談とかさ)、まあそれもありかなぁ。

ただ、うん、最終的にほのん、と温かい気持ちにはなります。

ところで、加奈とカナスピカは名前がかぶるんですが、そこに何の意味もないんでしょうか。どうせなら、そこ絡めた会話でもして欲しかったなぁ、すっきりしない(笑)


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わくらば日記(朱川 湊人)

角川書店 2005年

私の姉様には不思議な力がありました。その力は、ある時は人を救いもしましたが、姉さまの命を縮めてしまったのやもしれません……少女の不思議な力が浮かび上がらせる人間模様を、やるせなく描く昭和事件簿。
小さな町を揺るがすひき逃げ事件、女子高生殺人事件、知り合いの逮捕騒動…。不思議な能力を持つ少女が浮かび上がらせる事件の真相や、悲喜こもごもの人間模様を昭和30年代を舞台に描く、心温まる連作短編集。

ノスタルジィも感じさせる作品。
少女達の危うさや、人間のエゴ、切なさなんかも上手く書かれていて、あまりに上手いものだから、妹の幼いがゆえの身勝手さがちょっぴり苛立たしい(笑)

ミステリ色は少ないのだろうけれど、そっちの要素も楽しめる。
まあ、どちらかと言うと、トリックうんぬんはお姉ちゃんの不思議な力が暴いちゃうんだが。

個人的にお母さんがツボ。

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黄昏ホテル(e-NOVELS編)

小学館 2004年

海辺の町にひっそりと建つ古いホテル。戦争へと向かう暗い時代、娼館主の息子が遊学の夢かなわぬ欧州に思いを馳せながら、贅を尽くし趣向を凝ら して設計した優雅なそのホテルは、しかし昔日の面影今はなく、古び荒れ果ててわずかな客を待つ。かつては華やかな喧噪に包まれた最上階のレストラン・シアター《サンシャイン》も閉鎖され、地下に構えたバー《トワイライト》のみが僅かに往時の名残を留めるこのホテルを、人はこう呼ぶ――《黄昏ホテル》と。超大型企画《黄昏ホテル》、ついに始動! 改装に継ぐ改装で、その全体像さえ定かならぬクラシックなホテルを舞台に、 e-NOVELSが誇る20人の精鋭作家が競作に挑む!

暗い日曜日(篠田真由美)/アズ・タイム・ゴーズ・バイ(早見裕司)/インヴィテイション(浅暮三文)/カンヅメ(森奈津子)/夜の誘惑(近藤史恵)/黄昏色の幻影(小森健太朗)/神輿と黄金のパイン(笠井潔)/タイヤキ(田中哲弥)/HOME AND AWAY(久美沙織)/一つだけのイアリング(雅孝司)/素人カースケの赤毛連盟(二階堂黎人)/鏡の中へ(野崎六助)/セイムタイム・ネクストイヤー(加納朋子)/名前を変える魔法(太田忠司)/あなたがほしい(黒田研二)/トワイライト・ジャズ・バンド(山田正紀)/悪い客(牧野修)/オールド・ボーイ(我孫子武丸)/ふたつのホテル(田中啓文)/陽はまた昇る(皆川博子)

20人もの作家が競作しているので、どれも短くて読みやすい。
ジャンルも割合ばらばらで、ミステリがあれば、ホラーもあるし、切ないものから、不条理ものまで盛りだくさん。
「黄昏ホテル」と呼ばれるホテル、地下のバー「とわいらいと」(平仮名じゃないのかな?)、場所は様々で、中身も色々異なるが、同じ設定のホテルで起きる話。

加納朋子の作品だけは、別の本で読んだけれど、この辺りが一番取り付きやすい読み物だと思う(笑)
あとは、「悪い客」や「ふたつのホテル」も好きかな…って、かまいたちメンバーか…(笑)

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新フォーチュン・クエスト(13) 蘭の香りと消えたマリーナ<上> (深沢美潮)

メディアワークス 電撃文庫 2007年

こんにちは、パステルです!
謎の病に倒れ、余命一ヶ月だと宣告されていたサラの病気も治ってほっと一息。でも、なんでサラだけがヨウグス蛾の鱗粉を吸い込んでしまったんだろう……気になりながらも、わたしたちは懐かしのシルバーリーブへと戻ってきた。
リタたちに手伝ってもらいながら、壊れた家の修理をする日々を送っていたところに、アンドラスから一通の手紙が……。なんだろう?と思って、封を開けてみると……なんと、マリーナが行方不明になったから、一緒に探して欲しい、って!? まさか、マリーナのところでも何か起こったっていうの?
6人と1匹の新しい冒険の幕開けです!

いつもどおりな感じなんだけど。
なんていうか、こう、文体がいやにしっくりこない。
「〜だけど」という文章の方がいいのに「〜が」となっていたり、そういう些細なところが目に付くようになったのは、私が歳を経たせいか(笑)
もっとも元からこういう感じだったのかもしれないけど、最近は再読してないので分からない。

とはいえ、内容としては、こんな感じかなぁ、と。
成長してるんだかなんだか分からないけれど、着実に成長しているパーティーと、進展してるんだかそうじゃないんだか分からないけど、確実に仄甘い恋の芽はほのぼのする。
…ちょっとじれったいけど(笑)


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騙し絵の館(倉阪鬼一郎)

東京創元社 創元クライム・クラブ 2007年

過去に怯えながら瀟洒な館でひっそりと暮らす少女。過剰なまでに彼女を守ろうとする執事。そして頑なに作品の刊行を拒むミステリー作家。「額縁の中の男」と名乗る者による、連続少女誘拐殺人事件が勃発するなか、謎めいた彼らの秘密が少しずつ明かされる。張り巡らされた大量の伏線に、倉阪鬼一郎は何を仕掛けたのか? 幻想的な館を舞台に描かれた、詩情溢れる野心的本格ミステリ。

倉阪作品は、読んでいるうちにどこかどろりと昏いところに引きずり込まれてしまいそうな気がする。
分かりやすくはない。伏線がたくさん張ってあって、今回はそれなりに配慮をしてそうに見せてはいるが、やはりこの人の作品らしい難解さが滲み出ている。

結局のところ、色々なんだかしっくりこないところがあるにせよ、幻惑的な昏迷に引きずり込まれてみたいならありかな、と。

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ぬるい眠り(江國香織)

新潮社 新潮文庫 2007年

半年間同棲していた耕介と別れても、雛子は冷静でいられるはずだった。
だが、高校生のトオルとつきあっていても、耕介への想いはじわじわと膨らんでゆく。
雛子は、大学四年の夏、かけがえのない恋を葬った(表題作)。
新聞の死亡欄を見て、見知らぬ人の葬式に参列する風変わりな夫妻を描く佳編、『きらきらひかる』の十年後を綴る好編など全九編。
著者の魅力を凝縮した贅沢なオリジナル短編集。
◆ラブ・ミー・テンダー◆ぬるい眠り◆放物線◆災難の顛末◆とろとろ◆夜と妻と洗剤◆清水夫妻◆ケイトウの赤、やなぎの緑◆奇妙な場所

大半は、別のもので読んでいるのだけれども。
江國作品の恋愛は静かに狂っていると思う。
一途で一心不乱で、だから他の人とも寝る。
そんな理屈がまかり通るような。
この短編集にも同じ空気が漂っている。
と思ったら、「災難の顛末」は凄かった。
狂い方が違う、といえばいいだろうか。
凄みが増して、もはやこれはホラー小説だろう、と思われる作品。
何気に一番好きかも知れない。
恋愛とはちょっと方向性が違うのだけど(笑)


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